夢のままいられたら

このまま時止めたい系おたく。

ジャニーズ「だから」と「なのに」

ジャニーズだから自担がやらせてもらってる仕事ってとっても多いと思う。「ジャニーズ枠」なる言葉が存在する通り、バラエティ番組でかっこよさを求められる演出がある時、そこには必ずと言って良いほどジャニーズがいる。

 

我が担当、手越くんがレギュラーとして出演する「世界の果てまでイッテQ!」はまさにジャニーズ枠を存分に生かした番組だと思う。

 

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ジャニーズらしくカッコつけた生着替えシーンなんかも盛り込みつつ彼独特の絵のセンスをイジり倒して笑いを取る。

 

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もちろん運動神経を生かしてパルクールやベアフッティング、カイトサーフィンみたいに名前を聞いただけじゃ何をするのか分からないスポーツをさらっとこなしたりするところも出す。

まあ、良いところだらけ。

 

でも「ジャニーズ枠」って他にもあって。

例えばネット投票(一応ハガキ投票もあり。でもハガキ送る人いるのかな?)で決められる「ベストジーニスト」。

2017年はJUMPの中島裕翔くん、2014〜16年はキスマイ藤ヶ谷くん、2011〜13年は相葉くん、2006〜10年は亀梨くん...とまあジャニーズばかり受賞している。

近年ネットが普及してきたのを鑑みてもネット投票が主流になってきた年代からは男性の大賞受賞者の中にはほぼジャニーズしかいないし、驚くべきはその前の年代もほぼ草なぎくんやキムタクなどジャニーズが埋め尽くしていることだ。

やはりその受賞の理由の中で「組織票」は大きい。正直ジーンズが本当に似合うからという理由で選出されているとは思えない。

組織票に寛容なはずのジャニーズファンさえ疑問に思うのだから、一般の人たちはもっと疑問に思うだろう。そしてどんどん興味をなくしていくだろう。どうせジャニーズしか受賞しないし、と見向きもしなくなる。

それが、怖かったのだろう。

 

一時期、「Twitter文学賞」というワードがNEWS担界隈を騒がせた。

書評家が主催するTwitterで投票する文学賞。ほんとうに本の好きな人たちが一冊の好きな本に投票する、主観では趣味の集まりのようなこぢんまりとした賞だと思った。

その賞に大量に押し寄せた、加藤シゲアキ「チュベローズで待ってる」への投票。投票した人も投票を呼びかけた人も、きっとベストジーニストに投票するかのような気軽さで一票を投じたのだろう。

しかし文学を好きな人たちの中に、ジャニーズ「なのに」小説を書き、ましてや自分たちが楽しんでいる文学賞に一挙に押し寄せた「ジャニーズファンの票」と「ジャニーズ作家の本」に、好意的な反応を示す人は少なかった。

最終的には組織票をシゲ本人から遠慮するよう呼びかけられ、本来なら誇りを持っていてほしい自分の本のことを、誇りにしていいはずの「賞」を、「おこがましい」とまで言わせてしまったのだ。こんなことを呼びかけるツールではないはずのクラウドで。

 

手越くんがMyojoの一万字インタビューで、ソロ曲「あなた」でピアノを弾くことを引き合いに出して、だいたいこんなことを言ってた。『俺は〜「だから」より〜「なのに」が好き、ジャニーズ「なのに」ピアノが弾けるとか、ジャニーズ「なのに」パンイチになるとか」「〜「だから」は誰でもできるけど〜「なのに」は限られた人しかできないでしょ?」

この言葉を、ものすごく思い出した。

 

かれらはきっと、自分たちが何をしてもまずは「ジャニーズだから」という括りでしか見られないことを、たぶん知っている。

だからこそシゲは自分が本を出しそれが組織票とはいえ評価されることが「おこがましい」とまで言った。ジャニーズだから自分が本を出せたことを知っているから。いくらファンが擁護しようと、ジャニーズ、アイドルという立場で物を書くという事はそれだけ注目を集めるということであり、それは当然「売れる」という損得勘定のもとで動いている。だからこそシゲは本を書けるのだし私たちの元に届く。

 

でもシゲの本を読み終えた時に私の頭の中に毎回浮かんでくるもしもがある。もしシゲがジャニーズじゃなくてこの本を出せていたなら、この本はもっといろいろな所で評価されたり、賞をもらったりできたのではないか。本人も「所詮アイドルの手慰み」というイメージは避けられないと言っているが、これがシゲの名を伏せて世の中に出回ったら、どうなるのだろう?

もちろんそんなこと、誰にも分からない。

でも考えずにはいられないのだ。

 

シゲは「ジャニーズだから」自分が受ける逆風も全て飲み込んだ上で、本を書いている。贔屓目なしに見ても面白いと、わたしは思う。でも贔屓目なしと言ったって、「ジャニーズだから」信じてもらえない。それでもシゲは本を書き続ける。ジャニーズの小説家、加藤シゲアキとして。

評価されるべきが自分が背負っている肩書きのせいで評価されないかもしれないというのは想像以上に辛いことだと思う。勿論応援しているこちらも、そう思わせてしまうことが辛い。組織票云々も、また本人に「ジャニーズだから」を思い知らせてしまったような気分だ。

それでも私は「ジャニーズ」である4人を好きになった。ジャニーズだから手厚く事務所にも守られているし、いわゆる「ジャニーズ枠」も貰えるし、定期的に(もっと出して欲しいって思うこともあるけどね!)CD、DVDのリリースで楽しめて、宣伝のためにバラエティ番組で、歌番組で笑っている彼らを見られる。

「〜なのに」を大事にする手越くんが好きだ。「ジャニーズだから」と言われることを嫌いその期待の上を行こうとして、いつでも私たちファンの期待を裏切って想像以上に進化したものを見せてくれるNEWSが大好きだ。

でも彼らがいまさらジャニーズであろうとなかろうと、多分好きであることは変わらない。NEWSが明日ジャニーズでなくなるとしたって、わたしは明日もNEWSが好きだ。でもNEWSがジャニーズである限り、他のグループにも、「ジャニーズだから」と突き刺さってくるものはあるだろう。

 

私はかれらにジャニーズ「だから」も「なのに」も大事にしてほしい。もちろんかれらとしては、「ジャニーズだから」と言われることは誇りでもあり歯がゆい事でもあるだろう。でもその「ジャニーズだから」が、知らない人が彼らを傷付けていい理由になってはならない。心無い言葉をかれらにぶつけて、また届けるつもりでなくても不特定多数の人に発信すべきでは無いと思う。とくに、ジャニーズとしてではない活動をするシゲみたいな人にとって。彼らがアイドルとしてではない活動をするときに、彼らが望んでいなくても「ジャニーズだから」は宣伝文句として使われてしまうものだろうから。そして、「ジャニーズなのに」もたくさん見せて欲しい。ジャニーズなのにどエロいソロを歌う。帯番組のキャスターをほぼ毎日務める。後者はジャニーズだから貰えた仕事だとしても、それが誰からも文句を言われることがないほど完璧に勤め上げられていればよいのだと思う。ただ彼らが発信したものを、「ジャニーズだから」の一言で否定しないでほしい。

 

よく音楽通(気取り)の人から言われることがある。所詮ジャニタレのメロディーだけの安っぽい曲だろ、と言われることがある。しっかり聞いたこともない人に言われたくない。それと一緒で、シゲの本をジャニーズだからと手に取ろうともせずバカにして自分が好きな領域に入ってこようとしたら慌てて攻撃するような人にわたしは絶対なりたくない。

 

相反するようにみえる二つの接続詞、「だから」と「なのに」。手を取ってNEWSがうまく使ったら、NEWSはもっと最強になるだろう。それらを使って攻撃する人に負けて欲しくない。宇宙にいけるほど、NEWSの勢いはいま増しているのだから。

 

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しろ